高校入試分析

2018石川県公立高校入試問題の分析(国語)

投稿日:2018年3月9日 更新日:

第1問 評論文

出典は池谷裕二「脳には妙なクセがある」。著者の本は脳科学をわかりやすく解説しており、学習法についての著書もあるので気になった方は本屋で手に取ってみると良いだろう(おそらく茂木健一郎氏の著書の周辺にあるのでは)。

出題は概ね例年通り。

第2問 小説文

出典は山本甲士「ひかりの魔女」。

  • 問6で久しぶりに部首名の問題が復活。全国的には部首名の問題は少なくないが、スマホ等の台頭により、漢和辞典をひくことが減り、部首の実用頻度は減少傾向。出題頻度低下も已むなしか。とはいえ、実生活における部首の実用頻度はゼロにはならないので、出題も無くなることはないと思われる。
  • 問7は多くの生徒が難しいと言って説明を求めてくるレベルの問題。解答の作り方(解答の作られ方)には着眼すべきポイントがあるので、この問題や類題の解き方は誰かから解説を受けた方が良い。
  • 問8は石川県公立高校入試ではめずらしいが、模試等では見かける。マス目無し、字数制限無し、だったようだ。解き慣れていない生徒には解答に時間もかかる不安な問題だろう。

第3問 古文

出典は「耳嚢」。江戸時代の随筆。近世の文章なので読みにくい箇所はなさそう。(これは毎年のことだが)未習箇所には現代語訳があるから、中学で習う基本的な単語や文法知識があれば読解に難はない。

  • 問3「どのようなこと」部分は書きやすいが、「どのように理解されて」部分は難しいかもしれない。
  • 問4 空欄[い]で「わんわん」を解説する問題があったが簡単そうに見えて一瞬フリーズした人も多いのでは。

第4問 200字作文

作文課題に必要のない情報が多い。この問題を時間内(6~8分)に解くには「読む必要のない部分を読まない」ことが必要だろう。文科省の指示に従い出題したものと思われる。今後は出題する方も解く方も洗練され、その後は出題側が出題形式を工夫し解く側が追い続けることになりそうだ。

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