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高校数学(整式の余り,複素数,ωとか)

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2017年頃に知恵袋に貼り付けられていた問題

■表記上の注意
x2乗をx^2と表記する。
a×b(aとbの積)をa×bまたはa*bまたはabと表記する。
a÷bをa/bと表記する。
ルートマイナス3(あるいはマイナス3のルート)を√-3と表記する。

■パソコンでの表記はあまりにも見にくいので、
 理解したい人は紙に写し書いて読んでみよう。

■問題
整式P(x)をx^2+x+1で割ると余りはx+1、x-1で割ると余りは11のとき、
P(x)をx^3-1で割った余りを求めよ。

■解答(ある高3生が解きました)
x^3-1=(x-1)(x^2+x+1)より、
P(x)をx^3-1で割ることは、
P(x)をx^2+x+1で割ったものをさらにx-1で割ることに等しい。
よって
P(x)をx^2+x+1で割ったときの商をQ(x)とすると、
P(x)=(x^2+x+1)*Q(x) + x+1
Q(x)=(x-1)*Q'(x) + a (aは定数)
(xの1次式で割っているのだから余りaはxの0次式になる)
P(x)=(x^2+x+1)*{ (x-1)*Q'(x) + a } + x+1
P(x)=(x^2+x+1)*(x-1)*Q'(x) + (x^2+x+1)*a + x+1
P(1)=11より、
P(1)=( ゼ ロ )*Q'(1) + (1^2+1+1)*a + 1+1 = 11
3a+2=11
a=3, b=4, c=4
よって求める余りは
3x^2+4x+4

後学の為の別解を載せておきます。
■別解
① P(x) ÷ (x^2+x+1) = Q(x) あまり x+1
② P(x) ÷ (x-1) = R(x) あまり 11
③ P(x) ÷ (x^3-1) = S(x )あまり T(x)
とそれぞれ置く。

まず気付くべきことは
(a^3-b^3)=(a-b)(a^2+ab+b^2)の公式より
x^3-1=x^3-1^3=(x-1)(x^2+x+1)
である。

②より
P(x)=r(x-1)+11
x=1のとき
P(1)=r(1-1)+11
P(1)=11・・・④

③より
P(x)÷xの3次式=S(x)あまりT(x)なので
余りT(x)は必ずxの2次式以下の式となる。
よって求める余りT(x)を ax^2+bx+c と置く。
④より、x=1のとき、この余りは
a*1^2+b*1+c
と表記され、さらにこれが(④より)11だとわかるので、
a+b+c=11

①についてx^2+x+1=0としてあまりのx+1を考える。
x^2+x+1=0の解は x=ω, x=ω^2 と表される。

理解不能の人も多いだろうので詳しく書く。
x^2+x+1=0を解の公式に当てはめて解くと、
x=(-1±√-3)/2
ここで、√-3のような虚数を含む解を虚数解という。
この虚数解はω(オメガ)という文字を使って表す。

解の一つである(-1+√-3)/2をωと置くと
ω=(-1+√-3)/2
ω^2=((-1+√-3)/2)^2=(1-2√-3-3)/4=(-1-√-3)/2
見てのとおり、ω^2の計算結果はちゃんともう一方の解となる。
これはω=(-1-√-3)/2としてω^2を求めても同様の事が起こる。
必要なら試すと良い。
よって、x^2+x+1=0の2解は x=ω, x=ω^2 と表すことができる。
つまりω^2+ω+1=0であり、
ω^2=-1-ω・・・☆
である。(☆は後で用いる)

話を戻す。

③についてx^3-1=0として余りT(x)を考える。
x^3-1=0を変形し、
(x-1)(x^2+x+1)=0の解は x=1, x=ω, x=ω^2 と表される。
x=ωはx^3=1の解なので、このωを「1の虚数立方根」ともいう。
理解のために、このことの書き方を変えて表すと、
x=1のとき1^3=1,
x=ωのときω^3=1, ←「ωは1の虚数立方根」といえる。
x=ω^2のとき(ω^2)^3=1,
ということである。
しつこいようだが、やはり理解の為にまとめると、
x^2+x+1=0の解の一つをωと置くと、
もう一方の解はω^2であり、
ω^3=1
であるといことがわかる。

①より、x=ωとのき
P(x)=Q(x)*(x^2+x+1) + x+1
P(ω)=Q(ω)*(ω^2+ω+1) + ω+1
P(ω)=Q(ω)*( ゼ ロ ) + ω+1
P(ω)=ω+1・・・⑤とする

③より、x=ωのとき
P(x)=S(x)*(x^3-1) + T(x)
P(x)=S(x)*(x^3-1) + ax^2+bx+c
P(ω)=S(ω)*(ω^3-1) + aω^2+bω+c
P(ω)=S(ω)*( ゼロ ) + aω^2+bω+c
P(ω)=aω^2+bω+c・・・⑥とする

⑤=⑥なので
ω+1=aω^2+bω+c
ここで、ω^2=-1-ω(上部☆印参照)より、
ω+1=a*(-1-ω)+bω+c
ω+1=-a-aω+bω+c
ω+1=(-a+b)ω-a+c
両辺の係数比較をすると
1=(-a+b)
1=-a+c
よって
a=b-1
a=c-1
最初の方の計算で、a+b+c=11だとわかっているので、
この3式を連立して(つまり代入して)解くと
a+(1+a)+(1+a)=11
a=3, b=4, c=4
とわかる。
これをT(x)に代入して
求めたい余りT(x)は
3x^2+4x+4
とわかる。

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