この記事の内容は次の4行にまとめられます。
・ 多すぎる情報は意識を分散させ目的達成を遠ざけることがある。
・98点と100点の間には約100点分の差がある。
・しかも100点満点が最高とは限らない。
・目的達成のために80点を積み重ねていくことにも価値がある。
思いつくままに書いたため、記事が長くなりました。
上記4行に興味がありましたら以下お付き合いください。
情報は漂う意識を吸い取って細切れに消費してしまう魔物である。
齋藤 孝著『結果を出す人の「やる気」の技術』より要約。
情報が多いと意識が散漫になり、目的達成に対して集中できないことがあります。 全ての情報に意識を向けてしまう、100点満点思想のせいかもしれません。自分のやりたいことに向けていた意識が、情報たちに吸い取られてしまうのです。
普段やっている物事は5割以上が「実はやらなくてもいいこと」かもしれません。 やり方の工夫により、9割の成果が2割分の作業で生み出されることもあります。
ここは学習塾なので、テストの話もしましょう。
テスト100点満点はすごい点数ですね。
でも具体的に何がすごいのでしょう。
「全ての自分のミスに、自分で気付き、正しく修正できた」こと。
これが答えの一つです。
暗記した、計算した、正しく判断した、これだけでは98点。
どれか1つでもミスを見逃せば、98点。
だから98点と100点の間には、さらに約100点分の差があると考えていいのです。
もしも98点を98万円とするなら、100点には約200万円の価値があるのです。
100点=100万円ではありません。
最後に自分を客観視し、自分を疑うことが出来た者のみが100点満点を得ます。
一方で、社会人になったのちは「 満点 is 最高 」という思想が通用しません。
お客様や上司や仲間が求めている内容に対して100点満点の答えを用意しても、200万円どころか、0円、下手をすればマイナス、ということがあります。
どういうこと?マイナス??
分かりやすい部分だけ説明しますと、100点満点の解答を用意する為に何時間を投じたかを考えよ、ということです。
あなたの1時間は無料ではありません。
仲間の1時間もお客様の1時間も無料ではありません。
家族の1時間も無料ではないのです。
10時間かけて100点満点の応答を用意しても、1時間で80点の答えを用意する人にかなわないのです。
なぜなら人の気持ちも周囲の状況も刻々と変化するからです。
例えばあなたは1時間で80点の答えを用意できたとします。
次に問題提起者と2人で30分かけて1度相談しなおします。
そこで新たに見えた課題に対してあと1時間改良を施します。
これにより、2人合計3時間で全体としては160点の答えとなる場合があるのです。
1人で10時間かけて100点満点の答えを追うことが最善とは限りません。
さらに現実はもっと面白いものです。相手の要求したことではない、いっけん0点に見える答えでも、より多くの利益を生むと思われる場合、突然そちらが100点満点になる、ということもあります。
私や講師陣は学習塾の立場で、つい生徒さんの100点満点を褒め称えます。
しかし同時に、一人の教育者として生徒さんに関わらせていただいている身でもあります。
このため、つい話が長くなることがありますが、社会人になったときに求められるものは、もう少し複雑かもしれない、という趣旨の話も生徒さんに伝えます。そして講師も生徒も互いの考えを日々伝えあっています。